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    3. 十二国記

    十二国記

    十二国記
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    作品情報
    どこにでもいる普通の女子高生だった中嶋陽子。そんな彼女の目の前に、「ケイキ」と名のる謎の青年が現れたことから、物語は始まった――。ケイキに連れられたどり着いた異世界。陽子は、ケイキとはぐれ、なぜここに連れてこられたのか、なぜ妖魔に襲われるのか、様々な疑問を抱きながら、また蒼猿という幻に、焦燥や疑い、不安を駆り立てられ誰も信じられず辛く孤独な旅を続けた。やがて、楽俊という友に出会い、助けられ心癒された陽子は、同時にこの異世界のことについて知っていく。ケイキが、慶という国の麒麟であること、また自分がその景麒に選ばれた慶国の王であるということも・・・。やがて、陽子は慶国の偽王・舒栄をたて慶国が自国より富むことを怖れた巧国の王・塙王の真意を知る。失道の病にたおれながら、塙王の行いを諌めようとした塙麟の死を目の当たりにした陽子は、偽王・舒栄から捕われた景麒を奪還することを決意。雁国の王、延王・尚隆や延麒・六太の力を得て、景麒を助け出すことができた。そして陽子は、慶国の王としてこの異世界で生きていくことを選ぶ。慶国王・赤子陽子。彼女の異世界での新たな物語が始まる――。

    エピソード

    • 「月の影 影の海」一章

      「月の影 影の海」一章

      中嶋陽子は、典型的な優等生タイプの高校生。しかし、クラスではいつも不思議な疎外感にさいなまれ、また家庭にも居場所がないと感じていた。不安な毎日を過ごす陽子の前に、ある日突然金色の髪を持つ「ケイキ」と名のる青年が現れ、「あなたを探していた」と告げる。そして謎の怪物、妖魔が現れ学校に襲いかかる―。

    • 「月の影 影の海」二章

      「月の影 影の海」二章

      光の渦を抜けてきた陽子は、新たな妖魔に襲われて、ケイキや浅野、杉本とはぐれてしまう。不安を抱えたまま歩き回る陽子の目に飛び込んできたのは、今までに見たこともない異様な海。ここはいったいどこなのか・・・?ようやくひとつの村を見つけた陽子。助けを求めるが、捕らえられ、牢屋に入れられてしまう。そこにはすでに捕まって閉じ込められた杉本がいた。

    • 「月の影 影の海」三章

      「月の影 影の海」三章

      馬車に乗せられた陽子、杉本、浅野の三人は、妖魔の群れに襲われる。が、陽子の身体に取りついたヒンマンの力が発動し、その場を切り抜ける。当てもなく森の中を歩きまわる陽子たちはやがて一軒の家を見つける。その家で食べるものや着るものを探していると、家の主の達姐(たっき)が帰って来た。襲いかかろうとした陽子たちに、優しい声をかける達姐。達姐は三人に仕事を紹介してくれるという。

    • 「月の影 影の海」四章

      「月の影 影の海」四章

      達姐に連れられ、達姐の母親が営むという宿屋にやってきた陽子たち。しかし、母親のところに話をしに行ったきり達姐は、なかなか戻ってこない。 実は達姐は陽子たちに仕事を紹介するのではなく、宿に売り飛ばそうとしていたのだ。ひとを信じようとして裏切られた。信じようとしなかった杉本のほうが正しかった…。怒りをかくせない陽子は、達姐に剣を向ける。そこへ突然、巨大な妖魔が現れた。

    • 「月の影 影の海」五章

      「月の影 影の海」五章

      嘆くだけの陽子にいらだつ杉本は、森の中を一人歩いていた。そこに、金色の髪の女性が現れ、杉本が必要だ、と言う。自分がこの世界で求められている、と信じた杉本は、陽子たちと別行動をとる。残された陽子と浅野。あまりの空腹に耐え切れない浅野を見て、陽子は人から食料を奪おうと決意する。そんな陽子の前に現れたのは、以前会った旅芸人の親子だった。

    • 「月の影 影の海」六章

      「月の影 影の海」六章

      陽子と互角に渡り合う杉本。そして、陽子は傷つき気を失ってしまう・・・。目を覚ました陽子がいたのは、見知らぬ家だった。そこに現れたのは、言葉をしゃべるねずみ。彼は「楽俊」と名乗り、自分を「半獣」だと告げる。傷ついた陽子の世話をしながら、この世界のことをいろいろ説明してくれる楽俊。そして楽俊は、陽子に「雁」の国に行くように勧める。

    • 「月の影 影の海」七章

      「月の影 影の海」七章

      楽俊と共に雁の国を目指して旅立った陽子は、訪れた町で妖魔に襲われた。我先にと逃げる人々、妖魔が来ないように門を閉める役人たちの姿を見た陽子は、人は他人のためには生きられないのだ、と悟る。すべての妖魔を倒した陽子は、傷つき動かなくなった楽俊を見つける。だが兵士に声をかけられ自分の存在が知られることをおそれた陽子は、楽俊を置いて立ち去ることしか出来なかった…。

    • 「月の影 影の海」八章

      「月の影 影の海」八章

      荒廃した村で暮らす杉本は、塙王に翠篁宮へと呼び出される。陽子がまだ生きていることを知り、再び陽子を殺める機会を望む杉本。そして、賓満に命を吹き込まれ苦痛に耐え凌いだ杉本の顔は、全く別人に変化していた。一方、陽子は港町で微真たちの興行を手伝っていた。ある夜、一座と一緒に雁国まで行かないかと持ちかけられる。だが自分の正体がばれ、皆に迷惑がかかると考えた陽子は…

    • 「月の影 影の海」九章

      「月の影 影の海」九章

      巧国から出港した船で雁へとやってきた陽子。そこで自分の名を呼ぶ懐かしい声が聞こえてくる。振り返った陽子の目に映ったのは、楽俊の姿だった。先回りして雁に来た楽俊は、今後のことを考えて、陽子のために方々に連絡を取ってくれていたのだ。陽子は楽俊の優しさを、初めて素直に受け入れることが出来た。一方、巧とは全く異なる雁の町並みに驚く杉本は、街の人達に案内された役所で、以前自分の前に現れた六太と再会するのだった。

    • 「月の影 影の海」十章

      「月の影 影の海」十章

      延王を尋ね訪れた雁国の街で、再び妖魔に襲われ苦戦する陽子。そこへ突然男が現れ助けにはいる。その桁違いの腕力や見事な剣さばきに、次々と倒されていく妖魔たち。男は小松尚隆と名乗り、自らを延王と呼んだ。尚隆の泊っている宿屋へと連れられた陽子と楽俊は、水禺刀が慶国秘蔵の宝重であり扱う事ができるのは慶国の王でしかありえない事を聞かされる。自分の身に起こった事態に戸惑う陽子を、尚隆は自らが治める王宮・玄英宮へ来るように勧めるのだった。

    • 「月の影 影の海」十一章

      「月の影 影の海」十一章

      戦乱に明けくれる中世の京都に、蝕によりこの地へと流れ着いていた幼き六太の姿があった。家族を養っていくことが出来なくなった両親の手によって、山の中に捨てられた六太。やがて空腹と疲労から意識を失いかけた時、一匹の獣が近づいてくる――。獣は、触によって流された雁国の麒麟である六太を探しにきた女怪だった。そして、自分のいるべき場所へと戻ってきた六太は、麒麟としての宿命を知らされる。

    • 「月の影 影の海」十二章

      「月の影 影の海」十二章

      雁国の王と麒麟との出会い、そして前景王が商人の娘だった事を聞いた陽子は、景麒が何故自分も含め普通の人を王として選んだのか考えていた。すると水禺刀が光り始め、そこに景麒と見知らぬ女性の姿を映し出す――。一方、壁落人のところに身を寄せる杉本は、「言葉は通じなくとも、心は通じる」という壁の過去の話を聞き、それが自分自身に当てはまる事を痛いほど感じる。そして、子供たちと遊ぶなかで、杉本の顔には自然な笑みがこぼれてはじめていた。しかし・・・。

    • 「月の影 影の海」終章

      「月の影 影の海」終章

      新たな王が誕生する慶国に劣り、愚王だと呼ばれる事を怖れ陽子を殺そうとした。その真意を暴かれた塙王の前に、失道の病に陥った塙麟が姿を現し再び巧国の為に善き治世を行って貰いたいと願う。陽子を殺すよう命じる塙王と、悲痛な表情を浮かべる塙麟。たまらず割って入る陽子に、塙王は剣を突き出す。しかし塙王の剣が貫いたのは、慈愛の瞳をした塙麟だった――

    • 「月の影 影の海」転章

      「月の影 影の海」転章

      先代の景王の妹、舒栄を偽王として立て、慶国が自国よりも豊かにならないように企てた塙王。しかし巧国の麒麟である塙麟の「死」により、それが現実になる事はなかった。一方、理由を聞く暇も与えられず景麒によって十二国の世界へ連れてこられた陽子はついに自分自身で慶国の新たな王となることを選んだ。そして、その陽子の身をそして心を救ってくれた無二の親友楽俊は、雁国で大学に入る為の勉強に励んでいた。

    • 「風の海 迷宮の岸」一章

      「風の海 迷宮の岸」一章

      慶国の麒麟、景麒によって王としての選定を受けた陽子は正式に王位を授かる為、天が存在するという世界の中央にある五山の一つ、蓬山を訪れていた。天から王位を授かるまでの間王と麒麟が滞在する宮へと向かう。その途中、景麒は未だ消息が分からない戴国の麒麟、泰麒のことを聞くため、蓬山に住む女仙の一人・蓉可と再会する。

    • 「風の海 迷宮の岸」二章

      「風の海 迷宮の岸」二章

      陽子は、自分と同じく胎果として日本で育った幼い戴国の麒麟・泰麒の話を、景麒と蓬山に住む女仙の蓉可から聞いていた。泰麒は触によって日本に流され十年の時を経て蓬山へと帰還した。そして、日本では自分の存在自体がまわりに不快な思いを与えてしまっているとしか思えなかった泰麒は、自分が家族と一緒にいてはいけなかったのだと理解し、故郷への別れを受け入れたのだった。

    • 「風の海 迷宮の岸」三章

      「風の海 迷宮の岸」三章

      突如蓬廬宮の外へと引きずり落とされてしまった泰麒。何が起こったのか分からないなかで、手首に鎖が巻きつけられ、そこから赤い血が流れ出しているのが見えた。泰麒を捕らえた醐孫と汕子は激しい闘争を繰り広げる。そこへ禎衛ら女仙達が駆けつけてきた。泰麒を捕らえ自分こそが泰王であると称する醐孫だが、禎衛の激しい恫喝に圧倒されその場を逃げ出す。が、その目前には犬狼真君の姿があった―――

    • 「風の海 迷宮の岸」四章

      「風の海 迷宮の岸」四章

      十年も日本で育った泰麒が、転変や使令を持つ方法を知るはずもない。そこで助力を頂ければと、碧霞玄君玉葉が景麒を呼んだのだった。すっかり景麒になついた泰麒だったのが、結局転変も使令を持つことも出来ず、別れのときが来てしまう。しかし、泰麒に景麒との別れを悲しんでいる暇は無かった。この蓬山に戴国の王となるべく麒麟の選定を受けるため、黄海を渡ってきた戴国の民が集まっていたのだ。

    • 「風の海 迷宮の岸」五章

      「風の海 迷宮の岸」五章

      昇山者たちの中に戴国の王となる人物を見いだせなかった泰麒は、毎日のように李斎と驍宗に会いに出かけた。ある日、泰麒は驍宗達のスウグ狩りについていくことになったのだが、泰麒の身を必要以上に案じる女仙たちの発言に、驍宗は侮られたと解してしまう。泰麒はそれが、使令も持たず、さらに転変さえも出来ない自分のせいだとわかっていた。そしてその事実を驍宗と李斎、二人に告げるのだった。

    • 「風の海 迷宮の岸」終章

      「風の海 迷宮の岸」終章

      泰麒は戴国の王として驍宗を選んだ。だが嬉しいはずの泰麒からは明るさが失われていた。――天啓がなかったのに、驍宗を王に選んでしまった――天が泰王を任じる儀式のとき、天の裁きが驍宗を滅ぼす、そう信じていたのだ。天勅を戴き、泰麒と驍宗は戴国の王宮・白圭宮へとやってきた。天の裁きなど無かった、さらに重く積み重なる罪の意識。そんな泰麒のもとを、景麒が訪れる。

    • 「風の海 迷宮の岸」転章

      「風の海 迷宮の岸」転章

      雁国の麒麟・六太は、十二の国の内情を気にかけていた。本来、十二の国には十二の王と麒麟が存在する。だが今、巧国と芳国には王がいない。王がいない国の土地は荒れ妖魔が出没し民は貧困にあえぐことになる。そして、最も荒れているのは戴。北東の端に位置するこの国は長い間、王と麒麟の行方がわからなくなっているのだ。六太は幼かった戴国の麒麟・泰麒の事を考えていた。

    • 書簡

      書簡

      雁国首都、関弓山の麓にある大学に、楽俊の姿があった。陽子が景王として登極した頃、延王の配慮で大学への受験を許され楽俊は、精一杯勉学に取り組み、合格したのだった。ある日、寮にある楽俊の部屋に人の声を運ぶ鸞鳥が舞い降りてきた。鸞鳥は凛とした女性の声で語り始めた。声の主は慶国首都、堯天山の頂上にある金波宮の玉座に座った新王・陽子だった――

    • 「風の万里 黎明の空」一章

      「風の万里 黎明の空」一章

      明治の頃の日本。とある貧しい農家に生まれた大木鈴は、家族を救うため年季奉公に出された。だが奉公先へ向かう道中に、触によって十二国の世界へ渡ってしまう。一方、芳国の華やかな王宮暮らしを送っていた祥瓊。だが、父である峯王の苛烈な法律と裁きが人口を激減させ、芳国の麒麟・峯麟は失道の病に倒れる。そしてついに―――時がたち、彼女らと同じ年頃で景王となった陽子は、即位の儀式の日を迎える。

    • 「風の万里 黎明の空」二章

      「風の万里 黎明の空」二章

      才国琶山の翠微洞へ戻った梨耀は慶国に新しく即位した女王のことを話す。同じ蓬莱の生まれのなのにと鈴を罵しる梨耀。それに耐える鈴の中に一つの感情が湧いて出る。一方祥瓊は、芳国恵州にある里家と呼ばれる場所で両親を亡くした子供達と働きながら生活を送る中、苛烈なまでの虐げを受けていた。そして陽子は、全く国の事情がわからず判断に迷うことばかりで、元気をなくしていた。

    • 「風の万里 黎明の空」三章

      「風の万里 黎明の空」三章

      蓬莱出身の景王ならきっと自分を救ってくれると勝手に思い描く鈴。ある日、鈴はその想像に怠け掃除の最中に壺を割ってしまう。梨耀は酷く怒り、鈴に厳しい要求を突きつける。祥瓊は、自分が失ったものをすべて手に入れたであろう景王への憎しみを募らせていた。そんな折、祥瓊が公主であった事が里家に住む少女にばれてしまう。一方、少しずつ国の内情を理解し始めた陽子は、官たちの間に勢力争いがあることに気づく。

    • 「風の万里 黎明の空」四章

      「風の万里 黎明の空」四章

      梨耀の大切な壺を割った鈴は、罰として琶山の断崖にしか生えていない甘蕈をとりに行ったが、最中、崖下へと落ちてしまう。鈴を助けたのは監視役のはずの梨耀の騎獣・赤虎であった。一方、祥瓊の正体を知った里の人々は恨みを込めて、祥瓊の処刑を行おうとした。その時――。そして慶国では、王の世話を預かる三公と天官長が弑逆を企てていたと発覚する。そのことに動揺を隠せない陽子は、自分が日本にいた時と何一つ変わっていないことに気づく。

    • 「風の万里 黎明の空」五章

      「風の万里 黎明の空」五章

      里家の人達に殺されかけた祥瓊は、月渓の命によって恭国へ身柄を預けられた。恭国を治める王は、見た目は少女の姿をした女王だった。里家での生活を二度としたくない祥瓊は、供王の奚(はしため)として働く事を選ぶ。しかし、自分が一切なくしたものを手に入れた景王、そして自分をいたずらに苦しめようとする供王に対し、ただ憎しみの想いを募らせていく。同じ頃、梨耀から逃げ出し采王を訪ねて王宮へついた鈴は、楽しい時間を過ごしていた。

    • 「風の万里 黎明の空」六章

      「風の万里 黎明の空」六章

      慶行きの船を待ち奏国に留まっていた鈴は「触」によって流された時に出会った朱旌にいた少女――今は一座の座長、と再会。一座が、今海客を一人連れている事を聞き会ってみる事にする。一方、悪いのは父から玉座を簒奪した月渓なのに、何の処罰も与えられないでいる。そう考えていた祥瓊は、ある事を思いつく。そして自国の事が何も分からない陽子は、まず民と同じ目線に立つ事を決意する。

    • 「風の万里 黎明の空」七章

      「風の万里 黎明の空」七章

      慶国の固継という里で生活を送り始めた陽子は、閭胥(ちょうろう)である遠甫から教えをこうていた。自分ができることは?その限界はどこなのか?陽子は少しずつ学んでいった。慶行きの船に乗ることができた鈴だが船で知り合った少年・清秀は冷たい態度をとり続ける。海客で言葉も通じず、帰る場所も無い。だから自分が一番、誰よりも辛い、鈴はそう思っていたのだ。一方、恭国の御庫より宝飾品を盗み出した祥瓊は柳国へと来ていた。

    • 「風の万里 黎明の空」八章

      「風の万里 黎明の空」八章

      柳国で身柄を捕らえられた祥瓊だが、賄賂を要求してくる県正とやりとりをする事で何の処罰もなく出てくることが出来た。そんな祥瓊を宿屋で相部屋になった楽俊が呼び止めた…。慶国へ着いた鈴達。だが、清秀の容態は日増しに悪くなっていく。そして陽子は、遠甫を尋ねてきた奇妙な男の使いをした労という家を訪ねる。そこで労と話す別の男のあとをつけた陽子は、とある街の宿屋たどり着く。

    • 「風の万里 黎明の空」転章

      「風の万里 黎明の空」転章

      慶国の戸籍を得るために一旦戴国へ渡ろうとした祥瓊は、柳国で出会った楽俊と共に柳国と雁国との国境の街へとやってきていた。楽俊と出会い共に旅をすることによって、祥瓊は玉座に王がいないというのがどれだけ国に対して影響を与えるのかを理解する。そして、公主として何も知らなかった自分、知ろうとしなかった自分の責任について考えはじめる。そんな祥瓊に、楽俊は景王陽子との出会い、景王になるまでの経緯を話し始める―――。

    • 「風の万里 黎明の空」九章

      「風の万里 黎明の空」九章

      清秀の死を受け入れる事の出来ない鈴。周りで見ていたはずの人々は見てみぬふりをし、何事も無かったかのように振舞う。そんな鈴にある人物が救いの手を差し伸べる。一方陽子は、蘭玉から止水の郷長である昇紘の行いを聞いていた。雁国と慶国との国境へやってきた祥瓊と楽俊。お礼を言う間もなく去って行く楽俊に、祥瓊は自然と頭を下げた。これは祥瓊にとって心から「ありがとう」と思って行った初めての礼だった。

    • 「風の万里 黎明の空」十章

      「風の万里 黎明の空」十章

      景王が郷長昇紘の悪事を許しかばっているという噂を聞き、王宮を訪ねる鈴。しかし王の不在を聞かされ、また昇紘の悪事を知らない素振りの官吏を見て、噂が真実だと確信する。一方陽子は、和州の状況を調べるために景麒を連れて和州の州都である明郭へと旅立つ。同じ頃、和州・止水を目指していた祥瓊も首都堯天に次いで栄えている街だと聞いていた明郭を訪れる。しかし街並みはさびれ難民も多く、明郭は異様な雰囲気に包まれていた・・・。

    • 「風の万里 黎明の空」十一章

      「風の万里 黎明の空」十一章

      明郭で兵士に追われ逃げ場を失った祥瓊は、桓魋という一人の男に助けられた。屋敷に案内された祥瓊は桓魋から和州に住む「二匹のケダモノ」と呼ぶ人物の事を聞かされる。虎嘯たちの仲間となった鈴は、昇紘をかばう和州の州侯、呀峰もまた敵であると聞く。そんな折、虎嘯の宿へ陽子が訪ねてくる。そこで鈴と再会した陽子。景王が郷長昇紘をかばい和州候を保護し、逆に民に慕われていた麦州侯をやめさせた、そんな鈴の言葉に陽子は衝撃を受ける。

    • 「風の万里 黎明の空」十二章

      「風の万里 黎明の空」十二章

      陽子が瑛州から和州へと旅していた間に、何者かによって里家が襲われ、蘭玉が命を落とす。遠甫の行方は分からず、ひとまず瀕死の桂桂を金波宮へと運ぶ。陽子は里家を襲った人物の手掛かりを掴むため、以前遠甫を訪ねて来た、怪しい男の仲介役だった労の家に向かう――。一方桓魋達の仲間となった祥瓊は、乱を起こす軍資金を得るため冬器の荷をある場所まで運ぶよう頼まれる。また、鈴も虎嘯から冬器を購入して来て欲しいと運び役を頼まれていた。

    • 「風の万里 黎明の空」十三章

      「風の万里 黎明の空」十三章

      和州止水郷・郷長酷吏である昇紘を倒すために集まった虎嘯たち一党に加わった陽子。それを機に、拓峰で乱が始まった。作戦の指揮を担うのは夕暉。昇紘の別宅や蔵を襲った跡には、「殊恩」という文字を残した。それは「昇紘を誅する」という意味だった。一方、拓峰で起こった乱の知らせが祥瓊のいる明郭の街にも届いていた。桓魋は、虎嘯たちの一見無意味な襲撃が実は巧みな作戦であり、それと同時に見落としている事があると言う。

    • 「風の万里 黎明の空」十四章

      「風の万里 黎明の空」十四章

      郷城への突入に成功した陽子と虎嘯は昇紘を捜すため二手に分かれる。そして陽子は驃騎と班渠から昇紘の居場所を聞き、ついに昇紘を見つけ出した。陽子の正体に気づいた昇紘は、天意の存在を確信し、剣を投げ出し陽子に「殺せ」と言い放つ。一方、鈴は浅野と再会する。鈴から状況を聞いた浅野は自分にも何か出来る事はないかと考え、以前追いはぎから救ってくれた人たちに助けを求めるため、一人明郭を目指すのだが・・・。

    • 「風の万里 黎明の空」十五章

      「風の万里 黎明の空」十五章

      陽子達は桓魋の部隊が加わった事で州師にも勝る勢力を得た。それでも拓峰の街の人たちが蜂起する気配はなく、静まり返ったままであった。鈴は、我慢することで自分の不幸を慰めている街の人たちの気持ちと、梨耀に仕えていた時の自分の気持ちが似ていると感じていた。祥瓊もまた同じ気持ちで、二人はこの乱によって二度と呀峰や昇紘のような人物を生み出さないで欲しいという願いが景王に届けばいい、と陽子に話す。

    • 「風の万里 黎明の空」終章

      「風の万里 黎明の空」終章

      蜂起の起きた拓峰の街へ王直属の軍隊である禁軍が陽子達の敵として現れる。だがそれによって陽子は、王の了解を得ず勝手に禁軍を動かした人物がいる事を知り、呀峰と昇紘の後ろ盾として裏で取りまとめていた元冢宰・靖共の存在に気付く。靖共にこれ以上勝手はさせないと決意する陽子のもとに、金色の鬣を持つ一頭の獣が舞い降りる。その光景を呆然と見つめる誰しもが、それがこの慶国に唯一無二の存在、「麒麟」だと分かる。

    • 乗月

      乗月

      芳国で、恵州候・月渓が先代の峯王・冽王を討って4年の年月が流れた。慶国の新しい禁軍将軍・桓魋は、空座となった玉座を月渓が仮王として治めていると聞き、景王・陽子からの親書を持って芳国を訪れた。しかし月渓は、朝廷が多少なりとも鎮まった今、恵州に戻る決意をしていた。冽王を討つという大罪を犯した自分が、王宮に留まり仮だとしても王として国を治めてはいけないと考えていたのだ。

    • 「東の海神 西の滄海」一章

      「東の海神 西の滄海」一章

      尚隆が雁国の王、延王として登極し二十年。一度滅んだともいえる程のすさまじい荒廃が見られた雁国だったが、大地には緑が増え何とか復興に向かいつつあった・・・。その頃雁国にある州の一つ、元州が謀反を起こそうとしているという噂がたちはじめていた。内乱になるのかもしれない、もともと慈悲深い生きものである麒麟の六太は心を痛めていた。戦は大人だけでなく、子供たちまで不幸にする―――。ふいに六太は、昔元州で出会った妖魔に育てられた少年、更夜のことを思い出す。

    • 「東の海神 西の滄海」二章

      「東の海神 西の滄海」二章

      更夜の手により元州に連れ去られた六太は、角を封じられ、元州牧伯・驪媚と共に牢に囚われた。それはすべて当時元州を束ねていた斡由の差し金だった。斡由は、麒麟が選んだ王が玉座につくのは間違いだといい、王の全権を官に譲れ、そう六太に主張した。このままでは尚隆と斡由の戦いは避けられないと六太は感じ、元州夏官の射士となっていた更夜に斡由を止めてくれと頼む。しかし更夜にとって斡由は、ひとりぼっちで居場所のなかった自分に、居場所を与えてくれた恩人だった。

    • 「東の海神 西の滄海」三章

      「東の海神 西の滄海」三章

      尚隆が王になる前の荒廃する雁国で、斡由は元州の民のためにと父である州候・元魁から位を奪い、そして民を守った。元州だけが豊かだった―――。しかし、延王・尚隆がたち他州が潤い、元州との差はなくなっていった。元州をもっと潤わせるため、自治を取り戻そうと六太を捕虜とした斡由は、王位を簒奪する逆賊とうつった。それは、関弓を出て元州に着いた志願兵の軍が二万を超えていたことより明らかだった。一方六太は、看病をしていた女官・銘心から地下の道を使い逃げるようにと言われる。

    • 「東の海神 西の滄海」終章

      「東の海神 西の滄海」終章

      女官の助けにより抜け出した六太は、抜け道である地下道で迷っていた。そこへ元州大僕らが六太を探しに来た。その部下の声に、六太は目を見開いた―――。一方、漉水をはさみ頑朴対岸にとどまる王師と兵卒らは、土嚢を積みあげ堤を築いた。上流で降り出した雨に漉水の水かさは増し始めている。堤のおかげで川の氾濫の心配はない、そう民達は安堵していた。しかし、漉水上流・新易にある北囲の廬に、斡由の命により州師が乗る騎馬二百騎があらわれ、突如築き上げた堤を切り始める。

    • 「東の海神 西の滄海」転章

      「東の海神 西の滄海」転章

      陽子は、延王・尚隆が話してくれた「もう一人の俺」斡由との過去、その話の意味をもう一度振り返っていた…。六太の使令・悧角によって倒された斡由。一方更夜は、「ろくた」を止めた。そして瀕死の斡由にとどめをさしたのは、尚隆だった――尚隆は更夜に「ろくた」と更夜が暮らせる場所、妖魔が追われることのない国をつくると約束する。更夜は、雁がそんな国になるまで黄海で待つといって去っていった。それから数百年、更夜はいまだ尚隆と六太の前には現れていない。

    スタッフ

    • アニメーションプロデューサー

      押切万耀 本間道幸
    • アニメーション制作

      ぴえろ
    • キャラクターデザイン

      楠本祐子 田中比呂人
    • キャラクター原案

      山田章博
    • コンセプトデザイン

      宮本治雄 森木靖泰 清水恵子 若林厚史
    • プロデューサー

      末川研
    • 制作統括

      冨永慎一 吉國勲 柏木敦子 渡辺俊雄
    • 効果

      倉橋静男
    • 原作

      小野不由美
    • 撮影監督

      松本敦穂
    • 監督

      小林常夫
    • 編集

      山岸由佳 森田清次
    • 美術監督

      東潤一
    • 脚色

      會川昇
    • 色彩設定

      佐藤祐子
    • 録音

      山田富二男
    • 音楽

      梁邦彦
    • 音響監督

      柏倉つとむ

    キャスト

    • 中嶋陽子

      久川綾
    • 供王

      山崎和佳奈
    • 六太

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